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番外編1
オレの名前は羽鳥藤色。
金髪で青い瞳の美少年。
自分で言うくらい、ただじゃないんじゃない?
なーんて。
皆はオレを王子様と言う。
テレビの中のオレは甘いセリフを吐く漫画の世界に出てきそうな王子様キャラだ。
正直もう疲れてきたけれど、最近母さんが亡くなったから……母さんはオレの仕事を楽しみにしていたから。
せめてもの天国への贈り物として、オレは仕事を続ける。
そんなオレが気になる「お姉さん」が時々事務所に現れる。
彼女はいつも、大学の帰りにアルバイトとしてこの事務所に現れていた。
大体が掃除だとか、雑用をしているけれどこの春大学を卒業することが決まり、就職先は未定だとか……。
今日は浮かない顔をして、彼女は社長にこう言った。
「養育費、ありがとうお父さん。でも、お母さんのお葬式には来ないで……」
そういう彼女に、社長は困ったように言った。
「いくら愛人とはいえ、葬式にぐらい出してもらいたいな。費用だって、こっちが工面したんだから」
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