7.和を以て……いったいどうなる?

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とりあえず、今日はお開き。もう帰ろう、ということになった。 私は当然、いっちゃんの車で、ふう君とみー君と一緒に帰るものだと思っていた。 「一矢。今日は与織子を借りるぞ?」 いっちゃんにそう言う創ちゃんに、私は腕を引かれていた。 「は?何言ってんだ、お前。許すわけないだろう!嫁入り前だぞ!」 噛み付くように返すいっちゃんに、創ちゃんは涼しい顔で「澪も嫁入り前だが?」なんて言っている。 そして、そのまま創ちゃんは、その場にいた兄たちに投げかけた。 「この中で、誰か今日ちゃんと家に帰るやつ、いるのか?」 何故か3人とも、黙ってそれぞれが視線を泳がせている。 「ほら見ろ。与織子を一人にはできないからな。問題ないだろう」 いやいや、ちょっと待って。私は問題、大ありだ。私だけ口をパクパクしていると、近くで私たちを見ていた澪さんが、とにかく笑っていた。 「もういいじゃないの、一矢。私たちも帰りましょうよ。どうせうちに来るつもりなんでしょ?」 いっちゃんはそれに、物凄い渋い顔して「まぁな」なんて答えている。 「与織子ちゃん。よかったら創に付き合ってあげて。大丈夫。きっと何もしないから」 なんて澪さんは笑っていて、創ちゃんは「うるさい……」と小さく返していた。 結局、みんなその場で別れることになった。ふう君とみー君はいったいどこに……と思ったけど、もう聞くだけ野暮なのかも知れない。 ホテルの駐車場で、創ちゃんの車に乗ると、エンジンをかける前に創ちゃんに尋ねられる。 「やっぱりその……。家に帰るか?」 ハンドルを握ったまま前を向いて、創ちゃんは小さく言う。 「帰るつもり……だったんだけど……。その、着替えも何もないし……」 私がそう答えると、「確かに、そうだよな」と寂しそうに呟いた。 「……だから。創ちゃんが……うちに泊まればいいかなって……」 恥ずかし過ぎて俯いてそう言うと、カチャリとシートベルトの外れる音がして、私は抱き寄せられていた。 「本当に?何もしないって約束できないかも知れないけど」 顔は見えないけど耳元で囁かれて、心臓の音がうるさいくらい聞こえる。 「いい……よ。嫁入り前だけど、創ちゃんのお嫁さんにしか、なるつもりないから……」 そっと私が背中に手を回すと、ふふっと創ちゃんは笑った。 「あまり俺を煽らないでくれ。事故起こしそうだ」 「それは困るよ。ちゃんと連れて帰ってね?」 創ちゃんは体を起こして私を見る。 「安全運転に努めるよ」 そう言ってから、私にキスをした。
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