向日葵の彼

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梅雨が明けた日だったんです 弾けるような日差しでいっぱいの坂道 真白の日傘をさして歩いていた 道脇の色褪せた紫陽花たちが 誰かの忘れ物みたい 花言葉なんて知りたくなかった 移り気という言葉ぴったり 失恋した痛みもそのままに 私は眩しい坂道を登る 運命の恋だと 私だけが信じていたなんて 思い出も彼ももう戻っては来ない 歩いても歩いても そこには紫陽花の植垣 めくるめく恋の思い出を振り払うように 光の向こうへ駆け出した 坂道のてっぺん 息切れと一緒に涙が込み上げて 登りきったら日傘を あの太陽めがけて放り投げる 私の涙を乾かして 音を立てて転がった日傘に 近づく一人の影 そう今日は梅雨が明けた日だったんです 季節が変わった そんな日に出会いが待っていた 7月16日の夏の坂道で 日傘を拾ったあなたに 一輪の向日葵を持っていたあなたに はにかんだ顔が涙越しに揺れた
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