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私が、この正式にできあがった張り紙を見るのは、今からもう少しあとのこと……。
× × ×
季節は寒い冬へ入りかけた頃のこと。雪はまだ降っていないが、部屋の外はとても静かだ。まるで、空気が寝静まっているかのようだ。
私は夜に寝ない。呪われた家系に生まれ、幼少の頃から仕込まれた仕事の関係上、体は寝れない体質になっていた。生まれてから今までの十七年間、夜というものは自分のためにあると思えるほどになっていた。私が動く時間であり空間――。世間が寝静まった夜は私が、人様の夢を見るためのものである。
私は人の夢の中に入ることができるのである。よく考えれば異様だ。
普通であれば、華の女子高校生な年頃だ。昼間は学校に行き、友達と話をし、勉強をし、部活動などというものをするのが一般的のようだ。時には、恋というものに落ち、甘酸っぱい体験をしたり、アルバイトをしてこの社会の一端を経験する。
だが、私はどうだ。
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