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いつでも返せるように紙袋に入れて。
斧だって実は折り畳み式でコンパクトになる便利なオモチャだって気づいたし。
1日に何度も、スマホに着信がないか確認した。
「なんやねん……ったく……普通菓子折りくらい持って挨拶くるやろ」
なんて不貞腐れたところで、それは虚しく空に吸い込まれていくだけ。
あの日、初めて出会った日。
ここで俺は、絶望の淵にいた。
担当した子どもが死んで無力感しかなかった俺の前に、あの人が現れた。
俺の話をすんなり受け入れないあの人。
とりあえず文句ばっかり言っている人。
その、どーでもいいやり取りが、俺の重くて苦しい心を少しだけ軽くしたのは、事実。
そして今、電話番号まで渡したのに何の連絡もなく現れないあの人にイライラしていることも、事実。
名前も知らないあの人。
「マジ何者やねんっ!!!」
誰もいない公園の空に向かって、叫ぶ。
叫んだところで誰も答えてくれないし、アテもなく歩く。家に帰ればいいものを。家に帰っても1人だし。なんか寂しいし。
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