再会

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「おい、アオ。お前行くんか?」 「……んや……」 「ダメです!」 「なんでお前が決めんねや!」 「死にますよ!?」 被せ気味に、俺は怒鳴った。 突然の怒鳴り合いに、道行く人は、俺たちを避けて歩く。このままだと、警察が来るかもしれない。そんなことが、頭を過ぎる。 「死なへんよ」 「何言っとるんですか、感染症侮ったらあかんっすよ」 「でも死なへんから」 「もう……アホちゃいますか」 実際、死ぬほどのものではないけれど。 でも、放っておけるレベルのものでもない。 この人はきっと悪化しても受診しなさそうだし。 「俺やってこの人に言いたいことあるんです。とりあえず来てください」 頑固で美人の人をジッと見つめた。 いや、多分睨みつけていた。
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