再会

7/7
前へ
/224ページ
次へ
伝われ。 この金髪には伝わらない。 処置をさせてくれ。 こんな中途半端な処置で、これ以上悪化させたら俺は、後悔する。 なにに? なにに後悔するんだ? この人がどうなろうと知ったこっちゃない。 でも。 「アホなこと言わんとってくださいよ!!」 「は?」 「受診はしないし悪化してもいいとか俺は死なないとか。アホやないですか!? 自分のカラダどうなってもいいんですか!!」 返事を待たず俺は、グイッと強く腕を引っ張った。 「あ、おい! アオ!」 「いって……」 金髪野郎が思わず掴んだ腕は、アオと呼ばれた美人頑固野郎の負傷した腕で。おそらく反射的に、アオという男はその腕を、振り払った。多分、痛かったんだと思う。でもその金髪野郎は、振り払われた手を見つめ、動かなくなった。 なんかやばいかも。 ちょっと思ったが、俺としてはそれどころではない。 「処置だけしたら返しますから!すんません!」 一応謝って、というか別に一緒に来ても良かったんだけどなと思いつつ、それはそれで面倒になりそうだし。 俺は美人で頑固なアオという男の腕を引いて、ひとまず勤め先の病院へ、向かった。
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加