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まだ赤みはあるが、排膿して少し、腫脹は引いた。それでもまだ赤いし腫れてはいるし痛そうで。
「アオ、これ相当痛かったやろ」
「……まぁ」
「……ズボンも脱いで?」
「また?」
「足も怪我しとったやん」
少し躊躇うアオに、「別に襲わへんで?」なんて冷たく言い放って、「なんやねん……ったく」と言い返されて。
また真っ黒のズボンを脱ぐのを待った。
スルリと肌とズボンが擦れる音がして、ゴクリと、唾液を飲み込んだ。
ずるい。
なんか、ずるい。
綺麗なんだ、アオの白く透き通る肌が。
なんて、変な感情を押し込めて患部である足を見て、俺は目を、疑った。
「アオ……?……これ、……どうしたん?」
「え?」
「こないだ……こんなんなかったやん……」
1週間くらい前。
同じようにズボンを脱いだアオの足は、真っ白な肌にザザーッと擦ったような擦過傷が右大腿から膝にかけてあっただけだった。
今、アオの足には。
治りかけの擦過傷。
大腿に無数の斑点のような内出血。
「アオ……なにがあったん……」
思わず黒いシャツを捲った。
白いカラダにあったのは、1週間前にはなかったはずの、内出血と、何かで引っ掻かれたような傷だった。
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