服の中の痛み②

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「アイツは、アオのなんなん?」 「……わからん……」 「わからんってなんだよ」 「先輩」 「仕事の?」 「まぁ、そんなもん」 「だから逆らえへんのか……」 なにか納得したように蓮が天を仰ぐ。 しばらく黙って、俺ではないどこか一点を見つめている。 「蓮……俺、帰るで?」 終わったなら、帰ろう。 サツキさんが、待っている。 きっと今日も。部屋で。 「今日帰ったら、殺されんで?」 「……」 「わかっとるやんな? 今の状況……」 蓮が言いたいことも、わからなくはない。 まずいと思った。 サツキさんの手を、振り払った時。 サツキさんの顔は部屋で見るより、哀しみに溢れた顔を、していた。 でも、俺が与えた痛みは、俺が受けなきゃ。 あの人が、潰れてしまう。
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