カフェで聞いたやばい話

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これは私がカフェでランチを食べていたときの話です。 女性が一人で座っていました。 後でわかりましたが、この人は人を待っていたようです。 40代くらいでショートカットのかっこいい感じの女性でした。 この人をAとします。 しばらくするともうひとり同世代くらいの女性がやってきて向かい合って座りました。 この人の名前をBにします。 どうもAとBの話を聞いていると、AがやっているビジネスにBが協力したくて説明を受けている様子でした。 Aは酵素を利用した食料品をECサイトで売っているビジネスモデルのようです。 兎にも角にも”ビジネスの話をしている”前提を念頭に置いておいてください。 A「お客さんへの商品に手紙を入れる時にジャズかけてるんですよ。絶対に手書きしてからカラーコピーして。 あとオーナーの気分によって酵素の温度下がっちゃうこともあって、そんなときは『イカ釣りに行ってくる』って言って出ていっちゃうんです」 B「そうゆう見えないところが大事になって来ますよね」 私もここまではそういうこともあるのかなと思っていました。 気分が乗らない時はいいものができないというのは理解できるし、生産者はデスクワークよりも反映されるのかもしれません。 2人の会話は続きます。 A「今は風の時代※だから好きなことをやっている気持ちが伝わると思うんですよ。製品を売るのも大事だけど、それ以上に大切なものがあるっていうか」 B「そうそう。そうゆう波動を受け取れる人増えてきてますもんね」 A「ええ、人も菌ちゃんも同じで自分の仕事を淡々としていれば全体としてまとまった仕組みに自然となるんですよね。 やれやれって強制するんじゃなくてやりたいことをやっていれば自然とうまくいくんですよ」 B「うんうん。だから勉強を強制する学校…義務教育っているのかな?って」 A「ね。これがやりたいって思ってさえいれば何でもうまくいくのにって思いますよ」 ※風の時代とは西洋占星術における200年に一度の大転換が起きて、今までの土の時代から変化した時代のことです。 風水に詳しくない人でも「風の時代」という単語を知っているかもしれません。ですから会話に出てくるのは不自然では無いのですが、商売の話で使う単語ではナイ。 ”強制ではなくやりたいことを”は今の時代を象徴するフレーズですが、そこからほとんど信仰に近いナイーブさで、そして恐ろしくなるほど純粋に引き寄せの法則を過信していることに愕然としました。 さらに義務教育がいらないという主張になるのは、もう、論理の飛躍では足りない。 飲んでいたりんごジュースで咽ながら店を出ました。 女性が個人でビジネスをやるヤバさを垣間見た気がしました。
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