今、隣にいてくれたらいいのに

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「……ごめんなさい。僕も余裕がないんです。だから、ちゃんと許可をください」  年上の。  しかもしっかりした、かっこい男性が。  私の前で、余裕がない。 「……っ!」  なんかもう、こう、ぶわっと体温が上昇した。  嬉しいから?  興奮したから?  いやなんかもうわかんない。  ただ、間違いなく幸せすぎて、幸せの熱で溶けてしまいそうだった。 「僕が、貴女の隣にいていいですか」  彼が尋ねる。 「……いてください」  熱の上がった私は答えて、彼に身体を寄せる。 「アナタが、いいです」  強い力で肩を掴まれた。  背中にふかっとした布団の柔らかさがあった。  強引に押し倒されてしまった。  でも、それでいい。それがいい。  私たちは――一つのベッドの上で、重なった。
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