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4.葵の父親
「次は真理亜ね」
楓花が明るく言った。
「え?…特にないです…。本当に…うちの家族は怖がりだから…幽霊の話はしたことなくて。」
その時、バタンと音がした。
「おっ みんな来てるのか。スイカ食うか?」
葵の父親は両手に大玉スイカを抱えて帰ってきた。
「わあ~大好きです」
「おじさんいつもごちそうさまです。」
宏一は、市役所に勤務していて、趣味で野菜作りをしている。畑も知人から譲って貰えるほど温厚で真面目な人柄だ。
葵はスイカの一切れを仏壇に供えた。まだ若くて綺麗な母親の写真に手を合わせた。
「あれ スイカ割りでも良かったかなぁ…仕方ない…じゃあ…それは次回に回すか?」
「そうだね。」
結局、また来てもらえるように…予約を取らされた形だが、居心地のよさに、みんな快諾した。
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