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プロローグ
真っ赤なツンツン頭に黒ジャージを着ている星悠太郎は、行きつけのラーメン屋で、大好物のチャーシュー麺の麺が伸びることも構わず、店内のテレビに釘付けになった。
「本日は、今最も依頼をするのが難しいと言われているドレスデザイナー、榊拓人さんにゲストでお越しいただきました。榊さん、どうぞよろしくお願いいたします」
「お願いするでござる」
……語尾がおかしい。
進行役のアナウンサーに話を振られたのは、外国人がよく出てくる雑誌のモデルが着るようなファッションの男性。
すらりとしたスタイルが印象的だった。
「早速ですが……榊さんは、特に女性を美しく魅せることにかけて右に出る人がいないと評判になっていますが……」
「ありがとうでござる」
……やはり語尾がおかしい。
「何か、秘訣みたいなものはありますか?」
「そうですね……全ての女性を女神にすることが、僕の使命だと思っているでござる」
スタジオで喝采が起こる様子を眺めながら、星はラーメンすする手を止めて、スマホを操作し始めた。
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