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蘭が通っていた高校は進学校で、大半が大学に進学する。蘭もその大半に加わり、なんとなく大学へ進学した。そして特にやりたい仕事も行きたい業界もないままに、周りが就活を始めたからと少し遅れて就活を始めた。そして何とか内定を得て、正社員となった。
なんとなくで入った会社だからか、毎日がなんとなく過ぎていく。起きる時間から電車に乗る時間、出勤時間に退社時間、帰りの電車の乗る時間も同じ。仕事も新人ができる仕事をミスがないように気を付けてするだけで、入社以来何の変化もない。
毎日単調な日々に胸の内でため息をつきながら延々と地下道を歩き、地上に出れば新宿の高層ビル群が姿を現す。圧迫感のある灰色のビル群はどれも似たり寄ったりだ。高さで競い、業績で競いあっている。その中の一つが、私が勤める宝屋インテリアのビルだ。
宝屋インテリアはその名の通りインテリアを製造・販売している。最近は大手不動産会社と組んでモデルルームにインテリアを配置し、お部屋の提案をすることに力を入れているらしい。らしいというのはたまたま見ていたニュース番組で説明されていたからに過ぎない。
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