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ある日のことです。
てのりひつじ(一番小さいひつじをこう呼ぶことにします) が、新しいたまごを見つけました。自分の体と同じくらいの大きさの薄紫と青が混ざる球でした。なんだか大地との収まりが悪そうです。てのりひつじは一生懸命たまごを移動させようと、えいえい! と押しましたが、どうやらたまごの方が重たいようです。てのりひつじは自分よりも大きい まくらひつじを呼んできました。
まくらひつじは2足走行ができる枕くらいの大きさのひつじです。ただし、足も手も短いので何をするのも危なっかしく、ちょこちょこ歩き、んしょ! んしょ! と がんばっています。そうちょうど……人間の小さな子が一生懸命に何かをする様子に似ているでしょうか。
たまごを見たまくらひつじは、フカフカ地面の一方を指さしました。まくらひつじの特技はたまごが落ち着く地面がわかることでした。てのりひつじは自分の勘が当たっていたことに喜んでぽふんぽふんと跳ねました。そして、ぽふんぽふん跳ねながら、まくらひつじがそーっと大事そうにたまごを両手に抱えるのを見ていました。
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