結婚って…

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 結婚して28年。 21歳で結婚しすぐに子供が宿り、結局年子で3人生まれた。 共働き家庭で子育ては助け合いながら綱渡りでやってこれた。 そして2年前の3月で子供全員が家を出て独立した。 各々仕事を持ち自立している私たちである。 幸いお互いの両親はピンピンしている。 結婚していると、子供がいる時いろいろ保証制度を受けられるので助かった。 けれど今はお互いにお金充分あり、仕事も自立している。 ある日私は夫に提案した。 「結婚の契約を終わらせよう?」 「そうだね」 「あ、でも紙切れだけのことでいいよね?あとは住まいも何もかも今までと同じで。」 「もちろんさ」 夫には数年前から話してあったので何ごともなく離婚届を出せた。    こんなことをしたのには訳がある。 まだ子供達が小学生の頃、夫に「ママ」といわれたことがありすごく違和感があった。 すぐに「名前で呼んでください」と伝えた。 その頃からだ。 夫とはただの男女に戻れないのかと考え出したのは。 私は結婚という契約に縛られない愛を得たかった。 結婚という契約をせずとも、お互いに他の人に心を奪われることがなく、助け合い、思いやりを持って寄り添いあう。他人同士が、法という縛りがなくてもそれを続けられるのか確かめたかった。 そう、めんどくさい女なのである。 そして、離婚手続きをしてから2年。 私はまた元夫に恋をしており、元夫も常に私に愛をささやいてくれる。 結婚前、いや、それよりも甘い日々なのだ。 この先どうなるかはわからない。 でも元夫からいつまでも愛されるようにやっていくだけ。 今、私の人生は主体的に動いて輝いている。 (終わり)
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