4人が本棚に入れています
本棚に追加
結婚して28年。
21歳で結婚しすぐに子供が宿り、結局年子で3人生まれた。
共働き家庭で子育ては助け合いながら綱渡りでやってこれた。
そして2年前の3月で子供全員が家を出て独立した。
各々仕事を持ち自立している私たちである。
幸いお互いの両親はピンピンしている。
結婚していると、子供がいる時いろいろ保証制度を受けられるので助かった。
けれど今はお互いにお金充分あり、仕事も自立している。
ある日私は夫に提案した。
「結婚の契約を終わらせよう?」
「そうだね」
「あ、でも紙切れだけのことでいいよね?あとは住まいも何もかも今までと同じで。」
「もちろんさ」
夫には数年前から話してあったので何ごともなく離婚届を出せた。
こんなことをしたのには訳がある。
まだ子供達が小学生の頃、夫に「ママ」といわれたことがありすごく違和感があった。
すぐに「名前で呼んでください」と伝えた。
その頃からだ。
夫とはただの男女に戻れないのかと考え出したのは。
私は結婚という契約に縛られない愛を得たかった。
結婚という契約をせずとも、お互いに他の人に心を奪われることがなく、助け合い、思いやりを持って寄り添いあう。他人同士が、法という縛りがなくてもそれを続けられるのか確かめたかった。
そう、めんどくさい女なのである。
そして、離婚手続きをしてから2年。
私はまた元夫に恋をしており、元夫も常に私に愛をささやいてくれる。
結婚前、いや、それよりも甘い日々なのだ。
この先どうなるかはわからない。
でも元夫からいつまでも愛されるようにやっていくだけ。
今、私の人生は主体的に動いて輝いている。
(終わり)
最初のコメントを投稿しよう!