知らない

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ヒヤヒヤしながら取材陣は進む。 「それでは…最後に高岡様の一番のオススメをここでいただきましょう。」 良かった!これで終わりだ。 俺は安堵する。 「やはりヒレの中心、シャトーブリアンだな。」 俺の一言で取材陣も大喜びだ。この高級肉は有名だし食べられるだけでも嬉しいはず。 「では、シャトーブリアンを。」 しかし、その時に俺は真実を知る。 「高岡様、ですから本日は無いのです。」  「はっ?」  店員の言葉に呆気に取られる。    「いやいや、そんなはずは無いだろう?ここは牛のブランドに拘らないからこそ、上手い本当の肉を提供するんだろ?」 「いや、確かにそうですが…。なにぶん、高岡様の取材から反響が大きく。」 「それなら何とか知らしてくれよ!」 「ですから… と札に。」   「!?」 あれは…肉の部位じゃないのか。 ってきりって部位かと。 カッパやザブトンやトウガラシや…そんな名前つけるなよ。
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