11人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ
深夜、もう誰も居ないビル街を1つの足音が響き渡る。
そしてその足音の主は何も見えない闇に、空間そのものが切り裂かれる"何か"を放つ。
「チッ」
何もないはずの闇から二つの白く光るものが現れ言葉を発す。
「何なんだよ、、こいつぁよぉ、、」
空間そのものを切り裂く"何か"は暫く飛翔を続けたが、いきなり方向をかえ宿主に戻る。
空はその刃を自分の後ろで羽のように展開させながら宙に浮いた二つの白いものをみつめ続ける。
「おいおい、、なんで全てを"隠した"はずの俺の位置がわかるんだよ。てめぇは化け物か?」
そういいつつ白いものはまた闇に紛れる。
空はその位置に背中に待機させている刃を飛ばしつつ答える。
「俺の能力は、空間そのものに干渉できる能力だ。ただ、空間が揺らいだ所に自分が想像した"もの"を飛ばす。ただそれだけだ。だがコイツはお前にとっての天敵だな。お前の能力は痕跡を隠せるが今触れているものを干渉することはできない。」
「そこまで知ってて"組織"はてめぇを寄越したのか。嫌なやつらだぜ。」
そう言いつつ闇に潜みながら紙一重というところで、亜音速に到達してるはずの空間を闇は避け続ける。
「ま、お遊びはここまでとして俺は逃げるぜ。じゃあな、桐間空」
「待てよ。逃がさねぇよ。」
空はそう言いながら500mほど離れた北東から銃撃が来ることを予測し、その方角に空間を展開する。
銃撃を弾いた後の事を考えつつ前進したその時。
"壊れるはずのない"空間の壁を抜けて銃撃が襲来する。
「!?」
自分の壁が何故抜かれたのか一瞬分からなかった空だが直ぐさま後退し射線をきろうとする。
だが後退するぶんだけ銃撃が襲来し地面が抉れていく。
「なんなんだコイツは、、」
その時、後ろから強い衝撃がくる。
「は?」
空は後ろを見るがそこには"闇"しかない。
だが空は数秒前まで戦っていた奴だと認識することはできなかった。
なぜなら、一瞬で彼は銃撃の嵐になすすべもなく巻き込まれてしまっていた。
空が銃撃に蹴り込まれてから数十秒銃撃が続きどこからか「一旦止めろ」と声が聞こえる。
そしてその言葉を聞いたのか銃撃は空がいたであろう地面の"周り"を撃ち続け土煙が立ち上ぼり辺りが見にくくなる。
それとほぼ同時に闇から人が"現れた"
「じゃあな"元"相棒。」
元だとは言え相棒を殺した男の腰の無線機から声が入る。
「まだ続けるか?」
その声の主は銃撃を放ってきた能力者だった。
「いや、もういい。流石に可哀想だ。」
といいつつ、男は空が撃ち続けられたであろう場所に踏み込み死体を探し始めるが、それは男の驚きで中断されることになった。
なぜならそこには、、
"何もなかったのだ。"
最初のコメントを投稿しよう!