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二話 回想
誰かがいる、、
俺に何かをつげる、、
俺は殺す
知らない誰かが死ぬ、、
俺は使う、、
手元にある最高の力を、、
誰かが使う、、
俺を、、そしてこの力を
俺には価値があるのだろうか、、
死ぬ為に生きる
生きる為に殺す
そこに価値はあるのだろうか、、
何かとは何だったのだろうか
ただあの日、、俺ははっきりと意識した
俺には力があると
人を傷つける力、、
人を守る力、、
誰かが言っていた
「お前は俺より人を助ける才能がある。これからは人を守る側になって欲しい。」と
その人は立ち去った、
俺をおいてどこかへいってしまった。
俺は探した、力の限り。
だが見つけることはできなかった。
何かを俺に告げた人も
俺を使った人も
俺に頼み事をした人も
だが変化はあった、人が俺を拾ってくれたのだ。
あの人は誰だったのだろう、、
あの人は何故拾ってくれたのだろう、、
「、、ら君、、起きてよ、、そらくーん」
その間の抜けた声に慌てて意識を覚醒させる。
目の前には誰かの影、
(樹瀬さんが来たのかな、、)
と思いつつ、重い瞼を開く
「は、、?」
視界に入ったのは、樹瀬ではなかった。
長身という点ではあっているが、雰囲気が違う。何かが違う、例えば、自分が喰われる側になったような、、
その雰囲気を察した瞬間、空はベッドから跳ね起き身構えつつ干渉を開始する。
「落ち着け、桐間こいつは、小野灯也だ。治癒魔術を使ってる。神代兵器をいくつか持ってるが全部治癒系、雰囲気と風貌を無視すればいいヤブ医者だ。」
「ヤブ医者、、?なのに信用があるのか?」
「逆だ桐間、ヤブ医者だから信用できる。そこらの患者を売ろうと躍起になってる医者とは別ものだ。」
小野は大きく頷きながら手を差し出しながら言う。
「握手をしよう。」
苦虫を噛み潰したような顔の空は、差し出された手をゆっくりと握り、お互いに言葉を交わす。
「よろしく桐間。」
「あぁ、よろしく小野さん。」
挨拶がすんだところで神谷のどこか抜けた声が響く。
「とーまくーんそろそろおろしてくれよ~。」
その声を聞き二人そろって無言で神谷を見つめる。
「、、、」
「、、、」
「、、、へ?」
神谷が再び口を開く前に天井のスピーカーから見渡の声が流れ出す。
「能力持ちは第三会議室に集合」
「だってさ、、ってうあっと」
と喋ろうとした神谷を無視し空は無言で解除した。
「さていきますよ、神谷さん。遅れると見渡さんが怖くって仕方がないですよ。」
と空がいう。
そしてやはり神谷のほうは、
「そーだねぇ、」
と一段とふわっふわっとした返事を返してきた為、空はしばらくの間神谷に対して対応が雑になっていたと言う。(神谷本人談)
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