🦔❤️🐹ハリネズミさんとハムスターさん

朝帰り

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「は……？」

　目覚めて初めに思ったのは【狭い】だった。
　シングルベッドに二人で寝ててはさすがに窮屈だ。

　幸い私が壁側だったので落ちる心配はなかったが、そのせいで、針山は落ちないように必死に私にしがみついてくる。

　抱きしめられる形で、衝撃と驚きで頭が回らない。
　振り返ると服はさすがに脱いだのか、キャミソール姿で覗く下着はローズ色で可愛らしい。
　結構小ぶりだな、と己の駄肉を鑑みながら、起こさないように腕を外して、そろりと跨(また)いでベッドを下りた。

　携帯の時刻を見ると六時前。
　始発はすでに動いているはずだ。

「うーん……」

　しばらくして針山も目を覚ました。
　寝ぼけているせいで、しゃっきりとしてはいないが概ね元気なようだ。

「おはよう。二日酔いとかない？」
「おはようございます。ああ、体調は大丈夫です」

「そう。お腹とか減ってる？　ご飯食べてく？」
「――あんまり空いてないですかね。それより、泊めて頂いてありがとうございます」

　もそもそと脱いだ服を着て、寝癖のついた長い髪を手櫛で整えた。
　まぁ、ご飯食べるよりさっさと帰って、ちゃんと着替えて休みたいだろう。

　シャワーを貸しても良かったのだが、替えの下着もないので微妙だ。

「電車もう動いてますね。そろそろお暇(いとま)させていただきますね」

　気が利く針山なので、私に気遣ってさっさと帰ろうとするのでその場を制した。