ダブル フェイク

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<真紀> 「こんどこそ、結婚できるかも!」  真紀は洋子に電話した。 「ほんと?!どんな人なの?」 「結構、マッチョで、スーツが似合う、まぁまぁイケメンかな!  車もねBMWに乘ってるのよ!」 「マジ!!それって玉の輿じゃ?!」 「そうなのよ!しかもITベンチャーの社長!  あ、電話がかかってきたからまたね!」 「はいはい、じやあね!」  真紀はアパレル会社の事務をしている。はや27歳となり、まわりの友達もそろそろ寿退社なるものが始まっている。2年前につきあった彼氏は、遠距離恋愛で浮気され、今は独り身。  アパレル会社だけあって、ファッションには、気を遣う。  最近では、レンタルバッグに凝っている。  月額を払えば、最新のヴィトンやフェラガモ、エルメスのバッグがレンタルできる。目の肥えたアパレル会社の人間がたくさん職場にいる限り、小物選びもかなり気を遣う。かといって、薄給で毎回、購入するわけにもいかず、情報通の洋子に紹介されたレンタルバッグのサイトを使いこなしている。  最初は失恋の痛手を癒す気分転換のつもりが、一度、褒められると結構、いい気分で、今まで使い続けている。
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