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「あたしたちに子どもは無理だよ。そりゃあ欲しくないって言ったら噓になるけど……産むのは体が丈夫じゃない真由だよ?」
「そうだね、ハイリスク出産になるかもしれない。でもきっとなんとかなるよ」
「いや違う、ごめん、ずるい言い方しちゃった。わかるよね?
子どもをつくるということは、その、男女の関係にならなくちゃいけないんだよ」
そこであっちゃんは一度言葉を切って、一呼吸置いてから続けた。
「あたしは女でいたいし……真由だってあたしに男を感じたくないでしょ?」
「私、あっちゃんとならできると思う」
「真由……」
「そうか、子どもか……。それなら女の体に近付けるどころじゃないね。あたし、父親にならなくちゃいけないのか」
「そうかな? お母さんが二人いる家があってもいいじゃない」
これが、私の考えてきた結論だった。あっちゃんは唖然としていた。
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