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無人島に漂着して15日目の私のもとに流れ着いたのは、短い半生の最推しであるツッチーだった。
ツッチーは私が子役時代から推し続けている俳優だ。色白の肌に通った鼻筋、柔らかそうな黒い髪。ここに来るまで毎日拝んでいたのだから、見間違うはずがない。
ぐったりと横たわるツッチーをなんとか助けようと懸命に引き上げ、他のファンには申し訳ないけど人工呼吸もさせてもらった。
そうしてなんとか容体は安定したけど、どんなに話しかけてもツッチーはうつろだ。
どうやら彼は、溺れた時のショックで記憶を失ってしまったらしかった。
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