『勇気と希望の石』

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『勇気と希望の石』

(いし)(かみ)……お(ねが)勇気(ゆうき)……』 パパが(うた)ってくれるお(うた)(おもい)()しながらね。 「『ゆうき の いし』よ。ベルクをたすけて!」  (みぎ)のポケットから(いし)をだしてお(ねが)いしました。 「たすけてくださーい! たすけてくださーい!」  とっても(おお)きな(こえ)です。ヴィントの(こえ)に。 「ぼくどうしたの?」  (おとこ)(ひと)()がついてくれたんです。 「おとうとがお(いけ)におちてしまったの。ブーリャをたすけたの!」  (おとこ)(ひと)はヴィントの(はなし)(すこ)しどまどいました。でもビショビショで(たす)けてと(さけ)ぶヴィントに(なに)かがあったと()かってくれたみたい。 「よし()た! おれの(ほう)(はや)(はし)れるから、ぼくを()っこして(いけ)()れていってあげるよ」  ヴィントを()っこして(いけ)に向むかかって(はし)()しました。  (うし)ろから。 「おれはその()のパパとママを()っているよ。パパとママを()んで()てやるからな!」  (こえ)()こえました。  その(ころ)ルーナは…… 「ベルクがんばって」  (ひとみ)(なみだ)()かべてベルクを (はげ)ましていました。  ルーナはパパからもらった『勇気(ゆうき)希望(きぼう)(いし)』を思いだしました。 「ベルクをたすけて……」  するといつもは()ずかしがり()のルーナですが、(なん)だか勇気(ゆうき)()いて()て。 「だれかたすけてー!」  って。(さけ)んでいたんです。 「ルーナ! ベルク!」  お(にい)ちゃんが(もど)ってきてくれたのがうれしくて。(おとこ)(ひと)もです。 「おにいちゃあん」 「(まか)せろ! 頑張(がんば)れボウヤ!』  (おとこ)(ひと)はベルクを(たす)()してくれました。 「「ベルク! ベルク! しっかりしてよう……」」  お(いけ)の外で、ヴィントとルーナはベルクを()()めて()()しそうです。 「クゥンクゥン」  ブーリャは()いています。ベルクに()きてとお(かお)をペロペロ…… 「ヴィント! ルーナ! ベルク!」 「「パパ! ママ!」」  パパとママが()てくれたんです。 「パパぁママぁ」  お(にい)ちゃんだもん。  って、()くのを我慢(がまん)していたヴィントは安心(あんしん)したのか()いてしまいました。 「パパ……ママ……」  ルーナも安心(あんしん)して。だんだんと(なみだ)(あふ)れて来て…… 「ヴィント、ルーナ。頑張(がんば)ったわね。お(にい)ちゃんたちありがとう。ベルクを(まも)ってくれて」  ママが()()めてくれて。 「うわーん!」 ママに()()いて(おお)きな(こえ)()きました。
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