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絶対に見られたくなかった人物が現れたことに、姫木の瞳が大きく揺れる。それは怯える瞳。
天王寺はそれを感じ、掴んだ手に優しくキスを落とし、柔らかな笑みを見せた。
「心配ない」
「やっ、やだッ!」
醜態を見られたことで、姫木が逃げようとしたが、天王寺が腕を引いてそれを阻止する。
背後から乱れた浴衣ごと抱き締めて、暴れる姫木を押さえ込む。
「これは、姫の意思ではない!」
断じて姫木の醜態ではないと、天王寺が声をあげる。全部薬のせいだと告げるが、姫木は恥ずかしいのか、首を振ってもがくように暴れだす。
「見るなっ……」
「目を閉じる。決して見ないと約束する……、ゆえに私に委ねよ」
強く言い切った天王寺は、ほどけた姫木の浴衣の帯を拾うと、自分の視界を塞ぐようにくるくると巻き付けて、目隠しをした。
それから、そっと手を差し出して、
「姫、ここへ」
恥じることは何もないと、天王寺は甘く誘う。
身体が熱を天王寺を欲する。自分ではどうすることもできない欲がその手を掴む。
差し出した手に姫を感じ、天王寺は手探りで姫木を抱き寄せる。
「ぁ、はっあ……、んんっ」
触れた場所に甘い痺れが生まれ、姫木の声が漏れる。
視力が奪われているせいか、その声は聴覚を激しく刺激して、天王寺にも火をつける。
背中から抱き寄せ、天王寺は手探りで後ろから下肢を探る。
「やぁ、ああっ……」
そそりたつ熱に触れたとたん、姫木は背をしならせて仰け反った。
天王寺はすでに解れている箇所へ、そのまま指を滑らせて、躊躇なく飲み込んだ二本の指を深く挿入する。
固さを保って、膨張している下肢にも触れたかったが、姫木本人が散々擦ったせいで、おそらくこれ以上触れば痛みを伴うと、天王寺はあえてそこに触れずに後部へ手を伸ばす。
「はぁッ……、そこ……ぁっ」
欲しかった場所に刺激を与えられ、姫木は声をあげた。
「ここがよいのか?」
「いい、……ぁぁ、っ、もっと奥……」
「心得た」
「ああっん、そこ、……天王寺、もっと……やぁっん」
身体を擦り付けながら、姫木は与えられた快楽に落ちていく。
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