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もっと、もっと欲しいとねだるその声は、甘く溶けてしまいそうだが、天王寺の心は怒りを覚えてしまう。
普段の恥じらう姫木とは明らかに違い、甘えるようにねだる姿。これが薬のせいでなければ、どんなに嬉しいことかもしれないが、姫木は今、我を失っているも同然。
天王寺は見えなくとも、姫木が淫らに喘ぐ姿を描き、奥歯を噛み締めた。
「やっ、ダメ……、足りない……ぁ……」
腰を擦りつけるように、天王寺の指を深く飲み込もうと動く姫木に、天王寺は激しく中をかき回し、いいところを擦ってみせる。
跳ねる身体を感覚的に感じながら、ぐちゃぐちゃと卑猥な音をたてて、指の数を増やして挿入を深くすれば、
「あ、っあ、……ぁ、んっ」
途切れに途切れに喘ぎながら、甘い美声をあげる。
腰を揺らし、天王寺の指を咥えこむそこは、広がりをみせ、先端から溢れ落ちている体液により、いっそう卑猥な音を奏でていた。
「ちょーだい、……ああっん、天王寺が……、欲しい」
指だけでは足りないと、姫木が甘えるように要求すれば、天王寺は誘われるように下肢をはだけさせた。
咥え込ませていた指を引き抜くと、熱い杭を宛がう。
「……姫」
「ちょうだい、……天王寺……ね、がい」
「少し浮かせる、よいな」
そのままでは上手く挿入できないと、天王寺は両足を抱え、姫木を少しだけ浮かせ、自らの熱の上におく。
ドロドロに溶かされたそこは、添えただけでゆっくりと天王寺を飲み込んでいくが、いきなり奥まで突くようなことはせず、天王寺はいつものように優しく入っていく。
「んっ、……はぁあっん、奥までして……」
最深部まで突いてほしいと声を出す姫木に、天王寺は腰を動かす。
熱い塊が埋め込まれ、奥を突くたびに姫木のいい声が部屋に響く。頬に触れる姫木の髪が、肌に張りついたり、離れたりを繰り返す感触があり、姫木が大きくて首を振って乱れているのだろうと知る。
両の腿を抱え、天王寺は求められるままに揺さぶるが、薬で貪欲になった姫木は「もっと、もっと」とせがむ。
どれほど達したのかもわからないまま、終わらない快楽を求め続ける。
このままでは、壊れてしまうかもしれないと、天王寺は姫木を床に倒した。
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