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「ちょっとだけ……、ひぁん、ぁ」
「随分と尖っておるぞ」
あんまり触ってないと答えた姫木に、天王寺は口を近づけて吸い上げる。
甘い痺れが起こり、身体が僅かに跳ねる。
「あ、ぃや、……吸っちゃ、……やぁっ……ぁぁ……」
もどかしい感覚に襲われ、姫木が身動ぎするが、天王寺はきつく吸い上げて、舌を絡ませていく。
舌で押し潰してから吸い上げれば、ビクンと姫木の胸が上下する。
塞がれた視界のせいで、手探りで撫でまわす天王寺の手が体中を這いまわり、そのもどかしさにさらに煽られていく。
「もっと強く……して、……」
「姫。……手荒くしても構わぬのか?」
「いいから、……酷くしてもいいか、ら……」
体中が疼いて止まらないのだと、もっと強い刺激でないと治まらないと、姫木は体をくねらせ強請る。
姫木からの欲情的な誘い。これが素面であったならどんなにうれしいことか、天王寺は全て卑猥な薬のせいだと思うと、心が痛み、笑みなど浮かばず、これを盛った犯人をどこまでも憎いと憎悪のみが増幅していく。
それでも姫木をこのままにしておくことはできず、天王寺は強請った姫木の胸の尖りを摘まんだ。
「ひ、やぁんっ……」
片方は指で摘まんだり、捏ねたりしながら、もう片方は歯で軽く甘噛みしてみせる。胸はあまり触れていないと言った姫木は、与えられた新しい刺激に甲高い声を漏らしていく。
「よいか、姫」
「いい、……そこ摘ままれると、ピリピリする、あぁ、……っ」
「ここだけでイクか……」
胸だけでも絶頂を迎えられると、天王寺が促し、姫木は「イきたい」と声を吐く。
それを聞き、天王寺は微かに口元を緩めると、
「その願い聞き入れる」
一言だけ返し、腫れた突起を押しつぶしながら捏ね、甘噛みしていた方は、舌で押し潰しながら強めに噛んでみせた。引っ張るように噛めば、姫木の体が跳ねるのが感じ取れる。
「いたッ……、ああっん、……やぁ、でも、いいの……ああッ……」
痛みさえ快楽に変わっていく。痛いくらいに噛んで摘まんでやれば、姫木は痛いと声を出しながらもそれが気持ちいいと鳴く。
天王寺の唾液でビシャビシャになった胸は、真っ赤に腫れていた。
「あああっ、んんッ……。もっ、ダメ……」
「駄目ではない。好きなだけ感じればよい」
「ひやぁぁ、っあ……、アアア――ぁッ!」
悲鳴のような高い声の後、姫木の浮いた身体が沈んだのを感じ取り、胸だけで達したことを知る。
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