4話

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「天王寺ッ、……ぁあ、やあぁぁ……それ、やだッ」 「すまぬ姫。今はこのようにすることしかできぬ」 「離してッ……ンやぁ……」 片腕で身体を支えた姫木は、やっとの思いで下肢に手を伸ばすが、天王寺の手は外せない。 突き上げるような快感が押し寄せる中、姫木の欲望が爆ぜないように、天王寺はあろうことか張り詰めている下肢の元を強く握り締め、イクことを強制的に抑え込んでいた。 与えられる快楽のはけ口がなくなり、渦となって体内を駆け巡り、姫木はそのもどかしさと苦しさに声をあげるが、天王寺はその手を緩めてはくれない。 しかし、突き上げる振動はより一層の深みと激しさを伴い、姫木の身体が崩れる。 「ひやぁっ、アア……、だめ、出したい……ぁぁ」 ガクリと崩れた身体は天王寺が器用に片腕で支え、なおも刺激を与え続ける。ワナワナと震える口からは、大量の唾液が零れ落ち、同時に涙も落ちていく。 塞き止められた欲望は、激しい疼きとなって姫木を支配する。 「ッ願い、天王寺……助け、て……ぁあ」 「……姫、しばし耐えよ」 「あ、あ、あッ……、っも、変……、変になっちゃうッ!」 欲望を塞き止められ、姫木が耐えられないと短い呼吸を繰り返しながら喘ぐが、天王寺はもっと激しく、淫らに腰を振る。それはまるで姫木を壊すように。 完全に快楽に飲まれた姫木は、揺さぶられるままただただ助けて欲しいと懇願するが、その言葉は聞き入れてもらえず、塞き止められたまま熱を打ちつけられた。 「私だけであるぞ」 「天王寺だけ、……っああ」 「そなたを乱してよいのは、私だけである」 「や、ぁッ……天王寺だけ、天王寺だけだから、ぁ……、許して……」 こんな快楽、もう耐えられないと、姫木は何度も頷きながら、天王寺の好きなようにしていいと、全部お前のものだとうわ言のように何度も繰り返す。 その言葉に真意はなくとも、天王寺は溺れてしまう。 「私の手に落ちてしまえばよいのだ」 このまま全てを預け、自分のものになってしまえばよいのだと、天王寺が囁く。 「姫は私だけのもの、他の誰にも渡したりはせぬ」 決して手放したりはしない、生涯をもって愛すると誓う。だから自分の元へ来て欲しい、自分だけを見て、自分だけを愛してほしいのだと、天王寺は想いを募らせる。 「……天王寺も、俺だけ、……のもの……っあ、っ」 「姫?! 今、なんと申したのだ」 「天王寺は、俺のだって……。俺以外に触っちゃ、……やだ」 泣き声に近い甘えた声でそんなことを言われ、薬のせいだと分かっていても、天王寺の理性は崩れていく。もう一度聞きたい、もっと自分が欲しいと言わせたい、甘えて欲しい、強く欲を欲した天王寺は、 「私が欲しいと、再度申すのだ、姫」 激しく腰を穿ちながら、強要する。
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