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「もうそろそろ帰らなくっちゃ」
お星様はパジャマからすうっと抜け出して男の子の前に浮かびました。
男の子は「もう帰っちゃうの?」と寂しそうです。
お星様はまた赤くきらめいて言いました。
「きみ、お名前、何ていうの?」
「かんた」
「かんたくんだね。私は赤いお星様。お名前を教えてもらったら、もうお友達なんだよ」
「お友達?」
赤いお星様を映したかんたくんの目も、赤くきらめいていました。
「そう、お友達。また失敗が怖くなった時は思い出して。力をあげるから」
「うん。僕、オムツは今日で最後にする。明日からは、パンツで寝てみるよ。失敗は成功のもとだもんね」
かんたくんはもう、さっきまでの泣き虫な男の子ではありませんでした。やる気が溢れて、目には赤い力がこもっています。
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