気がかりなお星様

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「あのね、昔、この家にきみと同じくらいの男の子がいたんだ。その子もきみと同じように泣いていたんだよ」 「えっ?」  男の子は起き上がって座ると、胸の赤いお星様の話に耳を傾けました。 「その子もなかなかオムツとさよならができなかったんだ。だからね、教えてあげたんだ」 「何を教えてあげたの?」  男の子はじっとお星様を見つめます。 「失敗は成功のもとだってこと」  お星様の赤い光は、気持ちがこもってより一層明るくなりました。その光を映した男の子の目もキラキラ輝いています。 「え? どういうこと?」  お星様は男の子にもわかるようにゆっくり丁寧に説明しました。 「失敗をたくさんしたら、いつかは成功する。その成功のためには失敗が必要ってことだよ」   「でも、失敗は悪いことでしょ? 悪いことしたら怒られちゃうよ」  お星様はキラキラ笑います。  そう言えばあの子もそうだった。ママに怒られるのが嫌なんだ。
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