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 『小学生レンジャー またも大手柄 万引き犯を捕まえる』  悟は新聞の見出しを眺め、笑みをこぼす。妹の美里が後ろから覗き込んだ。 「お兄ちゃん、それ何?」 「見ればわかるだろ?俺の記事だよ。この前万引き犯を捕まえたんだ。すごいだろう?」 「でもお兄ちゃんの名前、載ってないよ」 「載ってなくても、わかる人にはわかるんだよ。この辺の小学生レンジャーなんて、俺しかいないからな。美里のクラスでも有名だろ?美里の兄ちゃんは、この地域でたった一人の、小学生レンジャーだって」 「有名かどうかなんてわかんない。美里、お兄ちゃんの自慢なんてしたことないし」  悟は眉をしかめる。ちょっとは自慢してくれてもいいのに。 「悟、美里、喋ってないでさっさと朝ごはん食べなさい。また登校班に遅れるわよ」 「俺はいいの。登校班くらい遅れたって。何せヒーローだもんね~」 「またそんなこと言って。早くしなさい」  お母さんの美佐子は、自らも出勤の用意をしながら悟と美里を急かした。
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