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 巴はますます速足になる。  横断歩道に差し掛かり、巴はふと、歩みを止めた。そのままそっと、振り返る。しかしそこにはすでに、悟の姿はなかった。  巴は、安心したような、がっかりしたような、少し複雑な気持ちになった。そしていつまでも、悟のいない、今通ってきた道を見つめ続けた。  
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