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大型スーパーマーケットの入り口近くに、イツキの黒いワゴン車が止まっている。
悟は、車の窓を少しだけ開き、建物入り口の自動ドアを見た。
「ったく、遅っせーな。まだ出てこないのかよ。買い物にそんなに時間かかるか?普通」
悟の口調は、明らかに苛立っていた。
「悟くん、待ち伏せとはそういうものだよ。早めに到着して、辛抱強く待つ。そのために今、僕らはここにいるんだから」
イツキはたしなめるようにそう言うと、ハンドル横に置いていた缶コーヒーを一口飲んだ。
「でも地味な仕事だよな。待ち伏せて捕まえる、なんて。奴らが店の中にいるのは確実なんだろう?もう中に入って、さっさと捕まえようぜ」
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