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「そんなことしても、こちらには捕まえる権利がないよ。やつらはあくまで『怪しい奴ら』であって、盗んだ確証があるわけではないから。 捕まえるなら現行犯でなくっちゃ。 外に出た瞬間に捕まえるんだ。しかも相手は複数。 君一人で行っても、取り逃がす可能性がある」 「だからって、警官の人たちと一緒に仕事ってのもなぁ。俺は警官じゃない。レンジャーなんだぜ?特殊能力を持った」 「それはわかっているよ。だからこそ、君に声がかかったんだ。今回の犯人は、おそらく三人組。しかも、窃盗の常習犯だ。警察だけで対処してもいいけれど、そこまで人数は割けない。その点、レンジャーの君が一人でもいれば、百人力。 万が一、一人取り逃がしたとしても、君ならすぐに捕まえることができる。そのために今回、僕らも派遣されたんだ」  そう言いながらイツキは、悟の様子を窺うようにチラリと横目で見た。  悟は鼻の穴を膨らませながら、「俺って百人力だと思われてるの!」と目を輝かせた。  そんな悟を見て、イツキは少し安心した。よかった。いつも通りの悟だ。  イツキは、最近悟を叱りすぎていると感じていた。それを気にしてもいた。
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