雨に負けないように

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雨に負けないように

    雨に負けないように。   2020年東京でオリンピックが行われる。  皆がそれをどこか期待しながら、遠くも近くも感じる  2020という年を何処か意識しながら、過ごしてきた。  そして2020年が始まり、僕らは待ちに待ったこの年。  希望の年のように感じていた。  けれども二月頃、武漢の方でウイルスの話が出た。  そのウイルスの名は新型コロナウイルス、  それを僕たちはニュースで知り、報道される内容に  どこか他人事で大変だなぁなんて見ていた。  まさか自分達にまでもその被害が及ぶとは思いもしないまま、、、  毎朝ニュースを見る度に増えていく感染者、しまいには日本でも感染者が出始めた  それでも僕たちはまだ何処か他人事でいた、  けれどニュースの内容が日に日に大袈裟になり、感染者も増え。  僕たちはようやく危機感を感じ出した。  クラスターという言葉を知り、緊急事態宣言、医療崩壊、経済的困難、  沢山の問題が増えていく毎日に、恐怖を感じ。  デマ情報に踊らされて、何が事実なのか何が嘘なのか。  僕らは分からぬまま、僕らの日常はあっという間に、コロナに乗っ取られてしまった。    皆が期待を抱いた2020という年は、人類史に刻まれる程の惨事となり、  僕は絶望を感じた、この先どうなるのか。  今後あとどれほど、僕らは普通を盗まれなくちゃ行けないのか。  もう何もかもが、つまらなく感じた。    それでも、僕らはそれらを乗り越えようと  ネットや歌で繋がった、うちで踊ろうとうちの中で遊ぼうと僕らは、生きた。  それは風に吹かれる巣に足をバタつかせながらも掴まろうとする、  哀れな蜘蛛のようなものだったかも知れないが、  それでも生きようと努めた事は、きっと僕たちの生きた証の一つだったのだろう。  コロナの始まりから1年が過ぎ、僕らはこんな生活にも慣れてきた。  マスクだけしていれば今までの日々に感じられる。  けれど偶に、出掛けて店内を見渡した時、  みんんがマスクを付けている光景にあの時のような、恐怖を感じる。  けれど偶に、蘇るこんな事いつまで続くんだろうという感情。    それでも僕たちは、歯を食いしばりながらもこんな日々に耐えて生きなくちゃいけない  それがこの孤独な時代に生きる僕たちに強いられたものなんだ。  とにかく笑って、仕方ないと自分に嘘を吐きながらも、  僕たちは、雨に負けないように生きる。
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