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ゾウはいません
佐内君とは、それまで喋った事もなかったから急に声をかけられてびっくりした。
帰る用意を済ませ、いつもは速攻帰るのにあの日はたまたまだったのか、神様のほんのイタズラ心だったのか、気がつけばクラスメイト達は部活やバイト、放課後のそれぞれの活動へと一目散に散っていた。
高校生は忙しい。
駆け足で走りすぎていく青春というキラキラと輝く時間はほんの一瞬しか存在しない。
何をすべきか、何をしたいのか分からないまま、勉強すればいいのか今を楽しめばいいのか、選択肢はたいしてないのに目標が全く見えないからか、どこにも一歩を踏み込みだせずにいた。
誰か教えて欲しい。
私が向かうべき未来は、どこに向かって道が延びているのか。
思春期は厄介だ。
ロダンもビックリの奈落の底まで考える人に陥ってしまっている。そんな事をみんなは考えているのかな?
高校生になれば、毎日が楽しい事の連続だと思っていたのに、どういうこと?
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