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あとがき
悪ノ王国を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
マリアンヌは、最初こそ非常にわがままで自分勝手で他人の不幸など気にしない身勝手な少女の印象だったと思います。
しかし、アレンとの出会い、小さな籠から少し外へと踏み出した中盤以降の王女は皆さんにどのように映ったでしょうか。
豪華絢爛な調度品と家臣たちに囲まれて自由だがとても不自由に育った1人の少女が経験を経て決意する。
ちょっとマリアンヌを愛おしくなっていてくれたら作者冥利に尽きます。
王女とは対照的にアレンは幼少期こそ包み込むような優しさを描きましたが、たまに覗かせる内面にある激烈な感情を上手く伝えられていたら幸いです。
自分が慕うものを傷つけたら実の親や愛する者でも手を下す冷酷な一面があります。
不自由だか自由に育てられたアレン。
どちらもお互い愛情に溢れていますが、その本性はかなり歪んでいます。
そういった内面に潜む怖さや、歪な愛情を感じ取っていただけたらと思います。
そして、なんといってもこの物語の影の主役となる人物、セバスチャンですね。
双子の人生=セバスチャンの半生と言っても過言ではありません。
セバスチャンは王家に対する忠義と、双子に対する哀れみと、親のような愛情を持ち合わせた人物です。
妻であるソニアと共に双子を守りきった人物。
最後のシーンは、作者であるボクも涙を流さずには執筆できませんでした。
最後のシーン、かっこよかったでしょ?
この物語は、ボカロ曲【悪ノ娘】【悪ノ召使】という2つの歌をベースに書かせていただきました。
作者自身、初めてこの曲を聴いた時に歌の奥深さや物語性に魅せられ、頭の中にこの小説のような世界が広がったことを覚えています。
約1ヶ月間の連載でしたが、毎日欠かさず読んでくれていた人、Twitterなどで紹介してくれた人、応援のメッセージを送ってくれた人、本当にたくさんの人に支えられて連載を終えることができました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
この物語は、描写はそこそこにスピード間のある文章で書きました。
ボカロという点、携帯小説での連載という点をふまえて、長ったらしい描写よりもサクサクと読める物を目指して書かせていただきました。
拙い文章ではありますが、書きたいことを筆の走るまま書かせていただきました。
よく、小説を書いているとキャラが勝手に動き出すという現象が起きます。
それは作者自身が考えていたプロットとは全く別の方へキャラが走り出し、予定に無いセリフや行動をとってしまうことを言います。
それはキャラに命が吹き込まれたことを意味し、作者にも予想がつかない展開になることも多いです。
このお話は、わりと早い段階からキャラが勝手に動き出したため、物語が破綻しないかヒヤヒヤしながら何度も読み返したものです。
数年前に書き終えた作品ではあったのですが、再びこうして推敲を重ね皆さんにお届けできるきっかけをくださった友人たちには、改めて感謝の言葉を贈らせていただきます。
最後のシーン、良かったでしょ?
では、また次の作品でお会いしましょう!
毒林檎
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