Amukaの枕

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Amukaの枕

 宮本安里が、とあるアウトレットパークの中を歩いていると、なにやら行列が見えてきた。 「これ、何の行列……?」  時々訪れる場所だけれど、こんな行列ができているのを見たのは始めての事だと思う。 「いらっしゃいませ」 『最後尾はこちら』と書かれた札を持つ店員が、行列を不思議そうに眺める安里に向かい、 「こちらは『Amukaの枕』特別販売会場ヘ続く列の最後尾でございます」と笑顔で話かけてきた。 「Amuka……あぁ『極上の眠りをあなたに』ってCMやってる所ですよね? 」  安里もそのCMは何度か見たことがある。ただ、それなりの値段だったと記憶している。 ……それが、この行列? 「本日は、特別に社長さんが直々来店されておりまして」 「……社長? あっ……!」  そうだ、安里でも知っている超がつく程のイケオジ(イケテルおじさん)だった。
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