空の温度

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「そっ、か。でも、さ」 例えその言葉が、経験に裏打ちされたものだったとしても、私の心に響く程の輝きを持ってはいなかった。 「それに……長いですよ。ずっと、1人ですよ。それこそ、お姉さんの一生より、ずっと。そんなの、本末転倒だと思いません?」 「……」 「確かに、いつかはリセットできるのかもしれない。でも、それはきっと一生を生きるよりずっと長い。その間ずっと孤独なんです。ひとりぼっちなんです。そんなの、今よりずっと苦しいんじゃないですか。」 彼の言うことは正しいのだと思う。 けれど私はもう、正しさなんて薄っぺらなもので踏みとどまれるような場所にはいないのだ。 「確かに、そうだよ。……けど、もうわかんないんだよ。自分がどうしたいのかも、これからどうすればいいのかも、もう何も。 ……だから、ここに来る。明確な目的なんて……いや、心の底では目的を持ってるはずなんだ。でも、それは心のどこかの話で、一見すると私の心はなんの目的も持たずに、何となくここに来る。 それは、生きる勇気がないから。生きて、自分を見つめる勇気がないから。 でも、ここに来ていつも気づく。私には生憎と死ぬ勇気もないみたいなんだ。」
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