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友人と従姉妹
真部朱莉は不思議な状況に陥っていた。
10月の終わり、従姉妹の真部百合花からお付き合いしようと考えている人がいて、と相談を持ちかけられた。
それがうちの会社の高山悟で朱莉は軽いパニックを起こしながらその話を聞いていた。
「何度もお食事誘われて、小坂に行ったのね?私が好きって聞いたからって…予約も苦労してしてくれていて、私の事を見てくれていると思ったの。今までの男性とは違うなって。でもね?子会社の人でしょ?やっぱり少し疑ってしまうの。朱莉ってうちの父から子会社に来た人の報告を頼まれていたわよね?朱莉から見て彼はどう?なんて報告するつもりかな?」
頬を赤らめて言われてしまうと、これは手遅れか、と朱莉は項垂れた。
(待て!まだどういう事か分からないし…少し様子見。一方のみを見てはいけない。こういう時は様々な方向から見て、色んな目で色眼鏡を外して高い場所から!うん!!)
三人で暮らしていると言ってもそれぞれに出勤時間も違えば帰りの時間も違うし、食事もそれぞれ、休日の過ごし方もそれぞれ、時間が合えば食事も一緒にするし部屋飲みもするけど、いつも一緒という訳ではないし、個人的な事を話す機会は少ない。
お互いが知らないまま、二股を掛けられているという事もあるかもしれないと、それならば高山悟に制裁を、と暫く調べてみようと朱莉は考えていた。
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