友人という名の従姉妹

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友人という名の従姉妹

「へぇ〜こんな田舎にこんな良いお店あるんだ。」 知り合って半年、付き合って一か月が経過して、お気に入りのお店に彼氏を案内した。 (こんな田舎って……うちより全然都会だけどね?) 彼は時々、田舎を下に見る様な発言があり、気にはなっていたが、産まれも育ちも東京だという彼に田舎を理解しろというのも無理だろうと、逆に考えたら、私が東京に夜行バスで行った日のあの薄暗い空の色を見た時は、こんな空気の悪いとこで暮らしてて平気なのかな、と思った事も失礼に当たる。 住み慣れた街と違う点で思わず出る言葉と考えたら、怒るほどの事でもないし、彼の性格が悪いとも思わない。 「いいでしょう?お洒落でしょ?」 「うん、素敵だね?こういうお店、東京には多いんだけど…こんな街には珍しいね?」 「……そう、ね。何食べる?」 (これが兄なら言い方!と言うとこだが…まぁ、悪気はないんだし。) と苦笑しながら話題を変えた。
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