#12

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亮介さんの言葉通り、動きやすいようにデニムにストライプシャツという、いたってシンプルな格好を選んだけど、姿見の前にたってみると、亮介さんの横に立つのに、この格好でいいのか不安になってくる。 亮介さんは、まだ部屋着だったし・・・。 クローゼットから、いくつか服を取り出して、とりあえず少しは華やかに見えるレモンイエローのマキシワンピを、旅行カバンに追加した。 トントンというノックの音に、はい、と反応するとドアから亮介さんが顔を覗かしている。 ベットの上の服たちが目に入ったのか 「あ、悩ませちゃった?」 ちょっと申し訳なさそうにしている。 「あ、えっと、確かにちょっと迷ったんですが、この格好で大丈夫ですか?」 「大丈夫、というより、バッチリ」 にっこり笑った亮介さんがドアを開け 「荷物は、それだけで大丈夫?運んじゃうよ」 と、部屋の中に入って来た。 デニムに、シンプルなTシャツを着ている亮介さんを見て、ほっとする。 ひとまず、カジュアル具合はこれで良さそうだ。 もう一度姿見で、おかしなところがないかチェックして、亮介さんの後を追った。
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