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「結衣、俺に遠慮しないで飲んでもいいのに」
焼きあがったピザを頬張りながら、そういってくれる。
「このお日様の下で飲むのも気持ちよさそうですけど、今から飲んじゃうと、せっかくなのに夜までもたない気がしちゃって。どうせ飲むなら、亮介さんと一緒に楽しみたいですし」
そうこたえると、あーっといって食べかけのピザをもったまま頭を抱えていらっしゃる。
あれ、せっかくの親切をむげにしちゃったかなと、亮介さんの顔を覗き込むと、パチリと目があった。
すると、何かひらめいたように
「そうだよね」
うん、うんと1人で頷いている。
で、手に持っていたピザを豪快に口に入れて食べきったところで
「ちょっと電話してくる」とスマホ片手に席を立った。
不思議な様子に首をかしげながらも、きっとこれも亮介さんの“おもてなし”の一環なんだろう。
行先も教えてくれなかったし、よくわからないけど、サプライズツアーみたいな感じにしたいんだろうということは、亮介さんの様子をみているとわかる。
いつもは秘書という仕事柄、自分で手配をして動くのが当たり前だから、なにもせずにただ楽しむっていうのが、ソワソワしてしまうけど、きっと楽しい1日になるはず。
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