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さっき食べたトマトがあまかったこと、
ピザ窯はうちのバルコニーにおけるのか、
なんて話をしながら着いたのは、小高い丘の上。
辺り一面がブドウ畑になっていた。
「もしかして、ワイナリーですか!?」
「そう。色々テイスティングして、お気に入りの一本見つけてもらおうと思って」
ワイン好きの私としては嬉しすぎて思わず飛び跳ねてしまった。
「亮介さんも、一緒に、ですね。何ですか、このワクワクするイベントは!」
思わず亮介さんの腕をとって早く行きましょうと中に促すと、びくっとされてしまった。
テンションが上がりすぎて、ついつい距離を詰めすぎちゃったかと、ちょっとだけ冷静さがもどってきたところで、いきなり手をつながれて、今度は私がびくっと反応してしまう。
それをなだめるように、つないだ手を、反対の手でポンポンとされた。
その時の亮介さんのまなざしが、なんだかあったかくって、くすぐったくって、目を合わせられず俯いてしまったけど、幸せな気持ちを伝えたくって、ぎゅっと、その手を握り返した。
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