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それからは手を繋いだまんま見学をさせてもらって、試飲している時も、ずっと手は離れなかった。
それどころか
「あ、これ結衣好きそうかも」
といって、自分の手に持っていたグラスを私の口につけて飲ませようとしてきたり。
サーブしてくださっている方も苦笑いを浮かべてしまうようなベタベタっぷりに恥ずかしくなってしまって、正直、味なんてちゃんとわからなかった。
それでも、なんとか赤と白1本ずつ選ぶと、亮介さんは配送の手続きをするのか
「ちょっと、待ってて」
スタッフの方と一緒にいってしまった。
その間にお化粧直しでもしておこうと行ったレストルームで、鏡の中に思った以上に赤い顔をした自分をみつけて動揺してしまう。
少量ずつのテイスティングだけど、あれだけたくさんの種類を試したんだから、かなり飲んでしまっていたんだってことに今更ながら気づいた。
ぽっぺたを触ってみると、あつくなっている。
でも、きっとそれだけじゃない。
みなさんの前で仲良しを演じたことはあったけど、こんな近い距離感で過ごすのも、ただ手を繋いで歩くのもはじめてだ。
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