#12

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その距離感がくすぐったくもあるけど、それに幸せを感じてしまっている自分を認めざるをえない。 もしかして・・・。 また、そんな期待を抱いてしまいそうな自分がいる。 だけど、亮介さんが出張で、1人でいる間に考えたんだ。 私が、すべきこと。 この結婚での私の目的 ― お父様が鈴城建設の後継となること 亮介さんのおかげで、思ったよりも早く実現をすることができた。 だから、今度は私が、亮介さんの ”結婚の目的”を果たすために できることをするんだって。 私の、この亮介さんを想う気持ちは、全部、それが終わってから考えることなんだ。 そして、今日は、ただただ亮介さんの“おもてなし”を楽しむって決めたことを、もう一度自分に思い出せるために、ほっぺたをペシペシと叩いた。
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