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「結衣、好きだ。
結衣が奥さんになってくれて、一緒に過ごすようになって、どんどん好きになってる。
離婚なんて言わずに、俺と一生一緒にいてほしい。
この苗木が育って、それがワインになって、熟成させて。この苗木から育ったワインを、あのバルコニーで一緒に飲んで過ごさない?
あそこにピザ窯置くのが無理だったら、どこかに戸建を建ててもいいし。そこに、俺たちの子どもが増えたりして、一緒に家族をつくっていきたい。
結衣にとっては、会社のための結婚だったかもしれないけど、その目的も達した今、改めて、俺と一緒に家族をつくっていくことを、この結婚の目的にしてくれないか?」
ゆっくり、かみしめるように、私に言い聞かせるように話す亮介さん。
してくれないか?なんて、言ってるけど、その力強い眼差しをみると、私が断るなんて、まったく思ってもいないように見える。
きっと、今の亮介さんは、私が亮介さんのことを信頼してるって自信を持っているんだ。
亮介さんの真剣さに気圧されていたけど、そう思った瞬間、ふっと肩の力が抜けた。
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