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カーテンの隙間から漏れる月明かりに照らされて、窓際に置いた小さなサボテンの鉢が枯れている。まるで一人で生きていくことを否定されているかのように思えて、少し笑う。
実際そうだった、世話のかからない小さなサボテンすら満足に育ててやれない私が、上手に社会の波間を泳げるはずがなかった。
うまく眠れなくなってからもう随分経つ。体調は悪くないけど、時々どうしようもなくなる。寂しいとか苦しいとかそういう感情は湧かない、ただ、そういう状況になっていると感知するだけだ。
形式的に横になっていたベッドから這い出て、ノートPCを起動する。唯一、私と世界を繋ぐ小さな窓が光る。その光に照らされて、闇は一層深くなる。私はお気に入りからあるチャットルームのHPを開く。もうだめかもしれない。そう思った時だけログインすることにしている。
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