【8】

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【8】

 外回りの予定がない日。貴滉は、デスクワークがこれほど苦痛に感じたことはなかった。  隣のデスクに座る克臣の視線をいやというほど感じて落ち着かない。そのせいで、データ入力や書類作成でもミスを連発し、苛立ちが募っていく。  彼はまだ、貴滉と真吏がそういう関係であるということを疑っている。  克臣と行動を共にしなくなってからそう日は経っていないが、周囲は二人の異変に気づき始めていた。  郵便物を手に貴滉のデスクの傍らで足を止めた庶務係の上田が、怪訝そうな顔で覗き込んできた。 「稲月くん……。征矢くんと喧嘩でもした?」  貴滉にだけ聞えるように小声で問いかけた上田の声に弾かれるように顔を向ける。不安げに細い眉を寄せている彼女に、貴滉はいつもと変わらない調子で言った。 「してませんよ」 「なんだか口数少ないし、一緒に外回りにも出かけないし。何かあったのかって皆が気にしてる」 「気のせいじゃないですか? 二人で同じ場所へ行くより二手に分かれた方が効率いい時もありますから」 「それならいいんだけど……」  そう言いながらも腑に落ちないという顔で貴滉宛ての郵便物をデスクの端に置いて去っていく彼女を肩越しに見送った貴滉は、ふーっと長い息を吐き出した。克臣の事を聞かれると、無意識に身構えてしまう。  公私ともに仲が良かっただけに、意見の相違が明らかになると接し方が急に分からなくなる。何を言っても否定されるのではないかと、仕事の話でも言葉を選ぶようになった。 「――貴滉。ちょっと、いいか?」  上田の詮索をかわして肩の力を抜いた直後、当の本人である克臣が声をかけてきた。驚きに詰まった息を何とか飲み込んで、貴滉はごくごく平静を装った。 「なに?」 「課長から売却予定のビルを見に行ってくれって頼まれたんだけど、一緒に行けるか? すぐにでも売りたいっていう物件で、その際は所有者も立ち会うらしい」  ギシッと椅子を鳴らして貴滉の方を向いた克臣は、端正な顔立ちを緩めることなく事務的に言った。 「すぐに売りたいって……。それ、事故物件とかじゃないよな?」 「課長が調べたところでは何も出てこなかったみたいだ。立地は悪くない。ただ、築年数がネックだな」 「リノベーションで何とかなるレベルなのか?」 「それを見て来いってことだと思うんだが……」  久しぶりに見た克臣は少し疲れているように見えた。心なしか声の張りも弱く、以前のような自信に溢れた言い方でもない。勢いに任せて突っ走るという彼のスタンス。それがやけに慎重になっているように見受けられる。  克臣もまた、貴滉に対して言葉を選んでいるように思えた。  何でも気楽に言い合えた時は戻ってこないのか。つい数週間前のことなのに、まるで他人と話しているような気がしてならない。 「――現地の資料は克臣が持っているのか?」 「あぁ。一式、預かってる」 「じゃあ所有者に連絡とって、今日にでも行くか?」  貴滉は手元にあった入力データ資料にちらりと視線を向けるとすぐに了承した。あと二時間くらいで片付くと踏んだからだ。  克臣と一緒に出掛けるのは久しぶりだ。こういった機会がなければ、お互いに話すタイミングを永遠に逃し続けるだろう。 「分かった。じゃあアポとってみる。先方の都合次第だが、多分大丈夫だろう」 「早く売りたいって言ってる先方にしてみたら、願ったり叶ったりじゃないのか」 「そうだな……。悪かったな、邪魔して」  いつになく謙虚な克臣に調子が狂う。こんなにも人に気を遣うところなど見たことがない。 「これ、さっさと片付けるから。克臣は資料をすぐに持ち出せるようにしておいてよ」  黙って頷き席を立つ克臣を視線の端でとらえながら、貴滉は再びパソコンのモニターを見つめた。  マウスを掴む手が汗ばんでいる。会話をした緊張からか、それとも克臣と二人きりなることを恐れているのか。  また、あの時のように真吏の話題が出たら上手く交わすことが出来るか自信がない。  真吏の過去を知ってしまった今、貴滉の中で『未知の人物』ではなくなっていた。両親から苛まれ続けた傷は簡単には消えない。それは貴滉が身を以て経験している。もうこの世に存在していない両親が口にした言葉はすべて覚えている。思い出すたびに失った感情の代わりに胸がツキンと痛くなるのだった。  いっそ泣いてしまえば楽になる。涙を見せれば許されることもある。  でも、貴滉はそれが出来ない。苦しみをただ抱え続け、涙も流さない冷血な人――と言われ続ける。  その苦しみを分かってくれる人が一人でもいること――それが真吏だ。  ふとキーボードを叩いていた指先が止まる。彼とのキスを思い出し、乾いた唇を舌先で舐めた。 「ん……っ」  腰の奥がズクリと疼き、思わず息を詰めた。発情しないはずの体が、性的な快楽を求めている証拠だった。自身で何度慰めても抑えることの出来ない疼きは日に日に強くなっていく。  その時は決まって、閉じた貴滉の瞼の中に真吏の姿があった。  仕事中であることに気付き、薄らと目を開ける。その瞬間に彼の姿は消えてしまった。名残惜しさにもう一度目を閉じてみるが、真吏の姿が再び浮かぶことはなかった。 「集中、集中っ!」  貴滉は自身の頬を掌で軽く叩くと、淫らな妄想を払拭するかのようにキーボードを叩き続けた。  ***** 「これはちょっと想像以上だったな。壁はクラックだらけで雨漏りもしてる。屋上の防水なんか酷い有様だ」  ビル内のいたる所を撮影したデジカメの液晶モニターを見直しながら、克臣が呆気にとられたように呟いた。彼が手にしたカメラを脇から覗き込んだ貴滉もまた小さくため息をついた。 「修繕してまともに使えるようにするには、かなりの時間と費用が掛かる。この状態で、先方が提示した値段で折り合いをつけるのは難しいよな?――よかった。克臣が上と相談するって纏めてくれて。この場で結論をだせ! って、無茶な話だよな」 「あぁ……。でも、ああいうタイプは修繕費用の一部を負担しろって言っても絶対に首をタテに振らない。いっそ、全部解体して駐車場として運営した方がいいんじゃないか?」 「同感……。でも、オフィス街にも商業地にも近いっていうのがなぁ……。建て直したらテナントはすぐに決まると思うんだ」  克臣の肩に頬が触れ、慌てて「ごめん」と謝った貴滉は、少しだけ彼から距離を取った。  スーツの上からでも分かる鍛えられた筋肉質の腕は、貴滉のものよりもはるかに太い。この腕で何度、ふらついた体を支えてもらったか分からない。だから余計に意識してしまう。 「まずは課長に報告。こういうことに関しては一課の方が詳しいから、そっちの意見も聞いてみた方がいいな」  照れ隠しに顔を背け、もっともらしい言葉を並べ立てる。鞄の中にカメラと資料を仕舞い込んだ克臣がゆっくりと貴滉に向き直ったのが分かった。  動くたびに足元の剥がれた床材から舞い上がる埃が西日を受けてキラキラと光っている。電気が通っていないこの古いビルは、外部よりも早く暗くなるだろう。 「――このまま帰るだろ? 会社に連絡するか」  貴滉がポケットからスマートフォンを出した時、克臣の大きな手がそれを制するように掴み寄せた。 「もう少し……いいか?」  彼の掠れた声が何もない空間に響いた。 「克臣?」  ハッと息を呑んで貴滉の手を掴んだ手を離した克臣は、脇に下した手を気まずそうに握った。そして、落ち着きなく指を動かしている。 「――もう、これ以上耐えられない。貴滉……俺じゃ、ダメなのか?」 「え……」 「俺はお前を守ってやれる。漆原みたいな奴より、俺の方が……っ」 「克臣……。何、言ってるの?」  心臓が激しく高鳴っている。克臣が言わんとしていることは薄々見当がついた。でも、それを容認してしまったら今の関係が成り立たなくなる。  克臣のことは嫌いではない。頼りになるし、一緒にいても気を遣うことはない。だが――それを恋と呼べるかと言えば『否』だ。そもそも、恋愛対象として彼を見ていない。彼とつき合って、結婚して……という、将来のヴィジョンがまったく見えない。  長い時間を共にして、そういった感情が芽生えることは多々ある。現に職場恋愛が結婚に結びつくことなど、掃いて捨てるほどあるが、貴滉は克臣とそうなることはあり得ないと言い切れる。  そばにいても真吏といる時のような心から委ねられる安心感はない。香水の匂いだけで体が疼くこともない。 「――貴滉、お前が好きだ。入社当時からずっと、お前のことを……」 「ごめんっ!」  克臣の言葉を遮るように貴滉は声をあげた。言い淀んだ克臣は、驚いたように瞠目したまま貴滉をじっと見つめ動きを止めた。 「――ごめん。克臣のこと、そういうふうに見れない」  オブラートに包むでもなく、遠回しな言い方をするのでもなく、貴滉はあえて自身の中にある正直な気持ちを彼に返した。  真吏との事を疑われるのは仕方がない。でも、嘘を吐いて克臣とつき合うことの方が、彼を深く傷つけることになる。それに、貴滉も自分の気持ちに嘘は吐きたくなかった。 「貴滉……」 「克臣を恋愛対象として見れない。冷たい言い方だと思うかもしれないけど、曖昧にして期待させるのも、嘘を吐いて傷付けるのも嫌だから……」  スマートフォンを握りしめたままの貴滉に、克臣はただ押し黙ったままだった。  答えを出したことで彼を傷付けたかもしれない。でも、それは浅く、日が経てばすぐに消えてなくなる傷だ。 「暗くなる前にここを出よう」  窓から差し込む夕日に二人の影が伸びる。貴滉は何事もなかったように会社に直帰の連絡を入れると、まだ動こうとしない克臣の腕を掴んだ。 「おい、克臣っ」 「お前は――いいのか?」 「え?」 「βの俺は、ク|ズの漆原より劣っているっていうのか? そんなにαが好きか?」  掴んだ手を振り払うように叫んだ克臣は、怒りの様相で貴滉を睨みつけた。拳を握ったままの手は小刻みに震えている。何かのきっかけで殴りかからん勢いだ。 「何を言ってる? 何度も言わせるなよ。漆原さんとは関係ない!」 「じゃあ、なぜ俺を……俺を見ようとしない」  入社当時から一緒にいる同僚の何を見ろと言うのだろう。彼が貴滉に見て欲しかったのは『恋人候補』としてであることは明白だった。ここ数ヶ月、克臣の様子が以前と少し違ってきていることに気付いてはいた。言葉の端々に嫉妬ともとれる真吏への暴言も見受けられた。それに、元来の心配性という枠を超えて貴滉を気遣ったり、体に触れることも多くなっていた。それが貴滉に対するアプローチだったとしても、心の指針はまったく振れることはなかった。 「――どうして克臣はそこまで俺に執着するんだ? 発情しないΩがそんなに物珍しいのか? 言っておくけど……もし、お前とつき合うことになっても、俺の本能は生涯求めることはない」 「求めなくても……体は繋げられる」 「お前……。それってセック|スドールと同じだろ。体だけ繋げても恋人にはなれない……んだよ」  そう――何度キスをしても恋人にはなれない。体だって同じだ……。  互いに求め合い、心を満たし満たされなければ愛情は生まれない。一方通行の想いだけでは寄り添うことは出来ないのだ。  貴滉は大仰にため息をついて見せると、克臣に背中を向けた。克臣が貴滉に抱いているものは恋ではない。ただ体を重ねて、支配したいだけの欲望。悪い言い方をすれば『性の捌け口』だ。  Ω性が社会的地位の低さゆえにそういった行為を強要される事例はいくつもある。それがごく身近で起きようとしていたことに貴滉は戦慄した。 「――俺は快楽を求めるだけのセック|スが嫌いだ。克臣は覚えていてくれてると思ったんだけどな」  ボソッと呟いた貴滉は、床に蓄積した埃を蹴るように足を進めた。克臣との関係はもう修復できないところまで来ている。彼が自身に対してそういう目で見ていたことが信じられなかった。 「貴滉っ」  背後で克臣の声が聞こえたが、貴滉は振り返ることなく抑揚のない声で言い放った。 「二度と――俺の前でそのことを口にしないでくれ」  怒りがないと言ったら嘘になる。でも、それよりも貴滉を辛くさせたのは克臣の裏切りだった。なぜ、自身がこんなにも冷静でいられるのか分からなかった。彼の襟元を掴んで一発殴ってもおかしくないほどの屈辱を受けたにも関わらず……だ。貴滉の体の中で滾った熱が急速に冷えていく。そして――幼い頃に抱いたものと同じ感覚が貴滉を襲った。  Ω性だから仕方がない。自分は所詮その程度の人間……。  悟り――。そもそも自分がこの世界にいること自体が間違っている。ここに存在するからこそトラブルが起きるのだ。  そうやって何度も自分を卑下し続け、自分が嫌いになっていった。  こんな自分は、真吏の事を好きになる資格があるのだろうか……。巡り巡った思考が行きつく先はいつもそこだ。  真吏を助けたいと思う自分と、その資格はないと貶める自分がぶつかり合う。その度に一喜一憂し、息が出来ないほど胸を痛める。そこに克臣の告白がさらに追い打ちを掛けた。 「今夜は眠れそうにないな……」  自嘲気味に微笑んだ貴滉は、振り返ることなくビルをあとにした。  *****  通勤途中の電車の中で何気なく目にしたネットニュースに、貴滉は寝不足の頭をフル稼働させてその文面を食い入るように見つめた。 『大手IT企業クールウェブゲート社長、漆原氏が退任の意向』  貴滉にとってまさに寝耳に水のような話だった。真吏とはメッセージアプリで何度か会話をしていたが、ここ数日はまったく音沙汰がなかった。彼も仕事に追われているのだろうと、気になりつつも貴滉の方からメッセージを送ることはなかった。  記事によれば病気療養のため長期休業と書かれているが、SNSでの誹謗中傷がかなり激化していることをあげ、それが原因で業績不振に繋がり社長の座を退く意向を固めているようだ。  SNSでの真吏に対する批判は以前からあり、克臣もそれを気にしていた。本人も自棄になってそういった内容の書き込みを行っていたことがあったが、最近はタイムライン上に現れた気配もない。それなのに、彼に関して誹謗中傷を書きこむ者が増えているのは明らかにおかしい。  真吏をとことん貶め、追い落とそうと企む者の仕業ではないかと一部のメディアでは囁かれている。  それに、真吏が体調不良で療養が必要であるという話も聞いたことがない。もし、それが本当であれば真吏が言わなくても浅香の方から何らかの連絡があるはずだ。  恋活イベント企業The Oneへの資金提供。彼は気まぐれで行っていると言っているが、本当は双子の兄である藍吏と共にやりたかった事を実現させているのではないかと貴滉は思った。  格差、偏見のない社会。自由に出逢い、恋愛する場を提供するイベントの実現。その足掛かりとして共同開発出来る企業を探し、The Oneが賛同した。しかし、彼の両親の支配下にある今の状況では安易に提携を結べない。そこでスポンサーとしてイベントをサポートすることにした。そう考えれば、真吏のやりたいことがおのずと見えてくる。  それなのに志半ばで社長を退任するなんて、彼に限って考えられないことだった。しかも記事には休業中は秘書である浅香が社長代理を務めるとある。  貴滉の中で不安が膨らんでいった。もしかしたら、また両親との関係が悪化したということも考えられる。クラブで傍若無人の振る舞いを見せた時も、漆原興産側から業績の事でかなり辛辣な言葉を浴びた後だったと聞いている。 (真実を知りたい……)  駅に到着するなり人でごった返すホームを抜け、階段を一気に駆け上がった貴滉は息を弾ませたまま連絡通路の壁際に立つと、スマートフォンを取り出して指を滑らせた。  浅香のアドレスを呼び出し、迷うことなく発信ボタンをタップする。このニュースが出回っている今、浅香がその対応に追われていることは分かっていた。それでも『知りたい』と思う衝動には勝てなかった。  数回のコールの後で低い落ち着いた声がスピーカーから響いた。この混乱の最中であっても冷静さを崩さない浅香らしい対応だ。 『もしもし、浅香です』 「浅香さん? 稲月ですっ。あのニュースは本当なんですか? もし、本当なら真吏と会って話がしたい。社長を退任するとか、あり得ないですよねっ」 『ニュース、読まれたんですね。こちらは朝から対応に追われていて……。あなたにご連絡を差し上げることも出来ずにすみません。社長は今、ホテルの部屋に引きこもっています「誰にも会いたくない」と仰って……』 「真吏に何があったんですか?」 『今、詳しいことはお話出来ませんが……おそらく稲月さんにもお会いにはならないでしょう』 「どうして? 浅香さん、俺から真吏に連絡することは?」  『外部からの通信をすべてシャットアウトしています』  浅香の言葉に貴滉は背筋に冷たいものが走った。そんなことは考えたくない――いや、あり得ない。  今まで何とかやって来れた真吏が、自分で命を絶つとは考えられない。でも……あんなニュースを耳にした今、不安で押し潰されそうになる。 「浅香さん! 真吏は大丈夫なんですよね? まさか――ってことはないんですよね?」 『私もそう願っています……。すみません。また何かありましたらご連絡します』  電話の向こう側でマスコミらしき人の声が聞こえ、浅香は事務的にそう告げると通話を終了させた。  貴滉は画面の暗くなったスマートフォンを胸に押し当てて、何度も深呼吸を繰り返した。 (会いたい……会いたい……会いたい!)  一目でいい、真吏に会いたい――そう思った。  真吏が、自分の父親と同じ末路を辿るなんて考えたくない。彼は、誰かに騙された訳わけでもない、何も悪いことなんかしていない。  両親からの重圧に耐え、経営者として会社を動かしながらも未来を見据えていた真吏。 「真吏……。お願いだから……無事でいて」  祈るようにスマートフォンを額に押し当てた貴滉は切に願った。弱い自分を立て直すことで精一杯。他人の事なんて考える余裕なんてなかった。でも、今は違う……。  たとえ不要だと言われても、この世から消えたら何も残らない。今まで頑張ってきたものすべてがリセットされる――そんな現実は見たくない。 「真吏……」  貴滉は華奢な肩を震わせて声を詰まらせた。怖くて堪らないのに涙が出ない……。逢いたくて仕方がないのにその感情を出すことが出来ない。もどかしさに全身を震わせるが、貴滉の眉間に深い皺が刻まれるばかりで失ったものは戻っては来なかった。    *****  数日後、貴滉のスマートフォンに新着メッセージを知らせるランプが点滅した。  発信者は漆原真吏。  たった一言だけ「会いたい」――そう告げられていた。
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